4年 社会 「最終処分場を受け入れた町」
「ごみのゆくえ」の学習の最後に、「最終処分場」を重点的に授業で取り上げました。
私たちがが当たり前のように出している、「ごみ」。
ごみ箱に捨てた先のことを、子どもたちにしっかりと考えてもらいたいと思いながら進めてきた学習です。
国立市の燃えるゴミは、稲城市にあるクリーンセンター多摩川に運ばれます。
そこで燃やされたあとに残る焼却灰は日の出町にある二ツ塚最終処分場に運ばれます。
日の出町には二ツ塚最終処分場の前に、谷戸沢最終処分場もありました。日の出町は多摩地域のごみの埋め立て処分を受け入れています。
しかし、その背景には日の出町住民と処分組合との間で様々なやり取りがありました。
谷戸沢最終処分場のすぐ近くに住む、田島喜代恵さんは谷戸沢最終処分場の管理体制に問題を感じ、立ち上がりました。
その土地、その土地で生活を営んでいる人がいる。当たり前のことですが、私たちは普段の生活の中でそこまでなかなか考えることができていません。
田島さんは「自分たちのごみの行先を考えてください」と訴えます。
谷戸沢最終処分場が満杯になるということで、同じ日の出町に新しい最終処分場建設の話が持ち上がります。二ツ塚最終処分場です。田島さんをはじめ多くの人が立ち上がり、処分組合の方たちと話し合いを重ねます。
授業では子ども達に、『もし自分が日の出町の住民だったら、処分場建設に賛成しますか。』ということを考えてもらいました。
限られた情報の中での判断なので、安易に立場を決められないのは重々承知しています。それでも、子ども達は今までの学習を踏まえながら一生懸命考えていました。
今も最終処分場周辺の環境を調査し続けている団体があります。たまあじさいの会代表の中西四七生さんに話を伺うことができました。最後に中西さんからのメッセージを子ども達に届けて、この授業を閉じました。
『ものごとを進めるときは地域住民との話し合いを大事にしてもらいたい/資源循環型社会を目指すべき/環境のことを考えた物作りをしていくべき。そして、なによりも私たちのことを知ってほしいです。』
授業後の子ども達の感想から。
「話し合いで解決するって難しいなーと思いました/自然が破壊されました。しかし、最終処分場がないとごみが受け入れられないので不便です/誰かの町が最終処分場を作ってくれるのできれいな場所でいれるので、日の出町に感謝します/私は処分場建設に反対していました。けれども、今思うと賛成した方がよかったのか悪かったのかわかりません。」など。
私たちが出すごみ。捨てた先の世界を知ることで、今の自分の行動が少しでも変わっていくことが大事だと思っています。学習を通して、見えない世界をに目を向けること。見えていなかった世界を知ることで、行動が変わること。思考を刺激すること。そういう学習を積み上げて行きたいと思っています。